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「バッファロー WSR3600BE4P」レビュー:安いけど大丈夫?Wi-Fi 7体験と「6GHz非対応」の真実

Wi-Fiルーター
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バッファローWSR3600BE4Pレビュー記事の要約
  • バッファローの「WSR3600BE4P」は、1万円台前半という手頃な価格で登場したWi-Fi 7対応ルーターです。
  • 最新規格のMLOや4096QAM技術を採用し、特にスマホ利用時の通信安定性向上が期待できます。
  • Wi-Fi EasyMeshに対応し、将来の拡張も容易で、セキュリティ機能も1年間無料です。
  • Wi-Fi 7の主要機能である「6GHz帯」には対応していない点が最大の注意点です。
  • 有線ポートも最大1Gbpsまでの対応となります。
  • 古いルーターからの買い替えでコスパを重視し、6GHz帯が不要なユーザーには良い選択肢です。
  • 6GHz帯を利用したい、1Gbps超の高速回線を使いたいユーザーには向きません。
  • Wi-Fi 7の一部機能を体験できる入門機ですが、6GHz非対応を理解した上での検討が必要です。
  • 簡単な設定で、現在のWi-Fi環境を手軽に改善したい場合に適しています。

新しいWi-Fi規格「Wi-Fi 7」が登場し、その圧倒的な速度と安定性に期待が高まっています。しかし、「最新規格は気になるけど、価格が高いのでは?」「そもそも何が変わるのかよくわからない」と感じている方も多いのではないでしょうか。特に、自宅のWi-Fiが最近遅く感じたり、動画視聴中に途切れたりすると、そろそろルーターの買い替え時かと悩みますよね。

そんな中、日本のネットワーク機器大手バッファローから、Wi-Fi 7対応を謳うスタンダードモデル「WSR3600BE4P」が登場しました 。実売価格が1万円台前半 という手頃さで、最新規格の恩恵を少しでも受けたいと考えるユーザーにとって、非常に魅力的な選択肢に見えます。  

しかし、「Wi-Fi 7対応」という言葉には注意が必要です。このモデルは、Wi-Fi 7のすべての機能を網羅しているわけではありません。特に、重要なポイントである「6GHz帯」には対応していないのです 。  

この記事では、バッファローの意欲作「WSR3600BE4P」を徹底的にレビューします。そのスペックと特徴を詳しく解説し、Wi-Fi 7のどの技術が採用され、それが実際の利用でどのようなメリットをもたらすのかを明らかにします。同時に、6GHz帯非対応という大きな特徴を含め、デメリットや注意点も包み隠さずお伝えします 。この記事を読めば、WSR3600BE4PがあなたのWi-Fi環境改善の答えとなるのか、それとも他のモデルを検討すべきなのか、明確な判断ができるようになるはずです。  

バッファロー WSR3600BE4P のスペックと主な特徴

WSR3600BE4Pは、最新規格Wi-Fi 7の技術を取り入れつつ、価格を抑えた戦略的なモデルです。その核心となるスペックと機能を見ていきましょう。

Wi-Fi 7 技術の一部を採用 – デュアルバンド構成

まず理解すべき最も重要な点は、WSR3600BE4Pがデュアルバンド対応のルーターであるということです 。これは、従来のWi-Fiルーターで広く使われている2.4GHz帯と5GHz帯の2つの周波数帯を利用することを意味します。  

そして、ここが最大の注意点ですが、このルーターは「Wi-Fi 7対応」と銘打たれているものの、Wi-Fi 6EやWi-Fi 7の大きな特徴である6GHz帯には対応していません 。6GHz帯は、従来の2.4GHz/5GHz帯に比べて利用者が少なく電波干渉を受けにくい、広大な通信帯域を持つ「空いている高速道路」のようなものです。この帯域を利用できない点は、本製品を評価する上で欠かせない要素となります。  

この6GHz非対応という仕様は、一部のユーザーの間で混乱や議論を呼んでいます 。Wi-Fi 7のフルスペックを期待していたユーザーにとっては、肩透かしと感じられるかもしれません。バッファローの意図としては、6GHz帯を省略することでコストを抑え、より多くのユーザーにWi-Fi 7の持つ他の技術的メリット(後述)を届けようとしたと考えられます。つまり、このルーターはWi-Fi 7の「すべて」を提供するのではなく、既存の2.4GHz/5GHz帯をWi-Fi 7技術で「強化」することに焦点を当てた製品と言えるでしょう。  

通信速度については、5GHz帯で最大2882Mbps、2.4GHz帯で最大688Mbps(いずれも理論値)を実現します 。これは、それぞれの帯域においてWi-Fi 7の技術が活かされている結果です。  

具体的に、本機に搭載されているWi-Fi 7由来の技術は以下の通りです。

  • MLO (Multi-Link Operation): Wi-Fi 7の目玉機能の一つです。対応する端末(スマートフォンやPCなど)であれば、2.4GHz帯と5GHz帯を同時に利用して通信容量を増やし速度を向上させる「2バンド同時モード」や、電波状況に応じて最適な帯域へ瞬時に切り替えて途切れにくくする「2バンド切替モード」が利用可能になります 。ただし、この恩恵を受けるには、接続するスマートフォンやPC側もWi-Fi 7およびMLOに対応している必要があります 。現状(2025年初頭時点)、対応端末はまだ少ないため、すぐに誰もが体感できる機能ではない点に注意が必要です。  
  • 4096QAM: Wi-Fi 6の1024QAMよりもさらに多くの情報(データ)を一度の電波に乗せて送る変調方式です 。これにより、特に電波状況の良い近距離では、通信効率が向上し、理論上はWi-Fi 6比で最大1.2倍の速度向上が期待できます。MLO非対応の端末であっても、この恩恵は受けられる可能性があります。  
  • Multi-RU (Multi-Resource Unit): 周波数帯域をより細かく分割し、複数の端末へ同時に効率よく割り当てる技術です 。これにより、通信の順番待ちが減り、多くのデバイスが接続されている環境でも、ネットワーク全体の通信効率が向上します。  

スマホ利用を強く意識したアンテナ設計

WSR3600BE4Pの興味深い特徴の一つが、アンテナ構成です。内部アンテナは合計5本搭載されていますが、その内訳は5GHz帯専用が1本、2.4GHz/5GHz帯共用が2本、2.4GHz帯専用が2本(共用含む)となっています。注目すべきは、5GHz帯用として合計3本のアンテナが利用される点です 。  

現在主流のスマートフォンの多くは、2本のアンテナ(2×2 MIMO)で通信しています。では、なぜルーター側に3本目のアンテナが必要なのでしょうか? これは、単に理論上の最高速度を追求するためだけではありません。3本のアンテナを持つことで、ルーターはより高度なビームフォーミング(特定の端末に向けて電波を集中させる技術)や、電波の反射などを利用して通信品質を高める空間ダイバーシティを実現しやすくなります。結果として、スマートフォンなど2×2アンテナの端末に対しても、より安定した接続、より遠くまで届く電波、そして電波の弱い場所での速度改善が期待できるのです 。これは、家の中でスマートフォンを使うことが多い現代のライフスタイルに合わせた、実用的な設計思想と言えるでしょう。  

さらに、**ワイドバンド5GHz(160MHz幅通信)**にも対応しており、対応端末であればより高速な通信が可能です MU-MIMO機能により、複数の端末(最大2台の1×1スマートフォンと記載)と同時に通信することも可能で、通信の順番待ちによる遅延を軽減します 。  

家中にWi-Fiを届けるための機能

広い家や複数の階層を持つ住宅では、ルーター1台だけではWi-Fiの電波が届かない場所(死角)ができてしまうことがあります。WSR3600BE4Pは、こうした問題を解決するための機能も備えています。

  • Wi-Fi EasyMesh™ 対応: バッファロー製のEasyMesh対応中継機やルーターを追加することで、家全体をカバーする一つの大きなWi-Fiネットワーク(メッシュネットワーク)を簡単に構築できます 。これにより、家中どこに移動しても最適なアクセスポイントに自動で接続が切り替わり、途切れることなく快適な通信が可能になります。  
  • メッシュ接続におけるMLO活用(潜在的可能性): もし、接続するEasyMeshエージェント(中継機や子機となるルーター)もMLOに対応していれば、ルーター(コントローラー)とエージェント間の通信(バックホール通信)でMLOの「2バンド同時モード」を利用できる可能性があります 。これにより、メッシュネットワーク自体の通信速度と安定性が向上し、結果的にエージェントに接続する端末の通信品質も改善されることが期待されます。ただし、これもエージェント側の対応が必要な条件付きの機能です。  
  • バンドステアリングLite: 接続しようとしている端末の電波強度などを判断し、より遠くまで届きやすい2.4GHz帯と、高速で電波干渉の少ない5GHz帯のどちらか適切な方に自動で接続を振り分ける機能です 。これにより、ユーザーは特に意識することなく、常に最適な帯域で通信できます。ただし、「Lite」という名称が示す通り、一部の端末では意図した通りに誘導されない場合がある点には留意が必要です 。  

セキュリティと使いやすさへの配慮

ネットワークの速度や範囲だけでなく、安全性や設定の容易さもルーター選びの重要なポイントです。

  • ネット脅威ブロッカー2 ベーシック: 家庭内のネットワークに接続されたPCやスマートフォンはもちろん、セキュリティ対策が手薄になりがちなスマート家電(IoT機器)などをサイバー攻撃の脅威から保護するセキュリティ機能が搭載されています 。具体的には、不正なWebサイトへのアクセスを防ぐ「悪質サイトブロック」や、ウイルス感染などが疑われる機器からの情報漏洩を防ぐ「情報漏洩ブロック」、外部からの不正なアクセスにつながる可能性のある通信を遮断する「危険UPnPブロック」といった機能が含まれます 。また、子供のインターネット利用時間を制限できる「キッズタイマー」機能も搭載されています 。このセキュリティ機能は、購入後の初期設定完了から1年間は無料で利用でき、自動的に有効化されます。ただし、2年目以降も継続して利用する場合は、有料ライセンスの更新が必要となります 。  
  • WPA3対応: 最新のWi-Fiセキュリティ規格であるWPA3 Personalに対応しています 。従来のWPA2よりもパスワード解読に対する耐性が強化されており、より安全なWi-Fi通信が可能です。  
  • かんたん設定: スマートフォン用アプリ「AirStation」を利用することで、専門知識がなくても画面の指示に従って簡単に初期設定が行えます 。多くの場合、付属のQRコードを読み取るだけで設定が進められるため、初心者でも安心です。  
  • 便利な引っ越し機能: 以前もバッファロー製のルーターを使用していた場合、「AirStation」アプリを通じてプロバイダー情報(PPPoE認証情報など)を含む設定を簡単に引き継げる「スマート引っ越し」機能が利用できます 。また、他社製ルーターからの買い替えであっても、WPS機能を利用して以前のWi-Fi設定(SSIDとパスワード)をコピーできる「無線引っ越し機能」も搭載されており、乗り換えの手間を軽減します 。  

その他の仕様とデザイン

  • 有線ポート: インターネット回線に接続するためのWANポートが1つ、PCやゲーム機などを有線で接続するためのLANポートが3つ搭載されています。注意点として、これらのポートはすべて最大1Gbpsまでの対応となります 。  
  • デザインと設置: 本体サイズは約43×133×148mm(幅×奥行×高さ)、重量は約280gと非常にコンパクトです 。縦置き用のスタンドが付属するほか、壁掛けにも対応しており、設置場所の自由度が高いデザインです 。カラーはブラック(BK)とホワイト(WH)の2色が用意されています 。  
  • IPv6対応: 近年普及が進む新しいインターネット接続方式であるIPv6(IPoE / IPv4 over IPv6)に対応しています 。対応プロバイダーを利用している場合、従来のPPPoE方式よりも高速で安定したインターネット通信が期待できます。  

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バッファロー WSR3600BE4P 主要スペック一覧

ここまでの主なスペックを一覧表にまとめました。

Feature (項目)Specification (仕様)Source Snippet(s)
Wi-Fi Standard (Wi-Fi規格)Wi-Fi 7 (IEEE 802.11be)
Frequency Bands (周波数帯)Dual-Band (2.4GHz / 5GHz) – 6GHz帯 非対応
Max Speed (最大速度)5GHz: 2882Mbps, 2.4GHz: 688Mbps
Antennas (アンテナ)内蔵: 5GHz: 3本 / 2.4GHz: 2本 (うち2本は共用)
Wired Ports (有線ポート)WAN: 1x 1Gbps / LAN: 3x 1Gbps
Wi-Fi 7 Features (Wi-Fi 7 機能)MLO (Multi-Link Operation), 4096QAM, Multi-RU
Mesh Support (メッシュ対応)Wi-Fi EasyMesh™
Security (セキュリティ)WPA3 Personal, ネット脅威ブロッカー2 ベーシック (1年間無料)
Dimensions (寸法 – WxDxH)約 43 x 133 x 148 mm
Price Range (価格帯 – 実売)約 ¥11,000 – ¥12,000

メリット:WSR3600BE4P を選ぶ理由

WSR3600BE4Pは、特定のニーズを持つユーザーにとって非常に魅力的な選択肢となります。その主なメリットを整理してみましょう。

手頃な価格で次世代規格の一部を体験

最大の魅力は、やはりそのコストパフォーマンスの高さです 。Wi-Fi 7対応を謳いながら1万円台前半という価格設定は、最新技術への入り口として非常に魅力的です。高価なハイエンドモデルには手が出ないけれど、Wi-Fi 7の持つ効率化技術(4096QAMによる高密度伝送)や、将来的な可能性(MLOによる速度・安定性向上)に触れてみたい、というユーザーのニーズに応える製品と言えます。6GHz帯やマルチギガビット対応の有線ポートといった高コストな機能を省略することで、この価格帯を実現していると考えられます。  

MLO機能は対応端末が必要という条件付きではありますが 、将来的にWi-Fi 7対応スマートフォンなどが普及してきた際には、ルーターを買い替えることなくその恩恵を受けられる可能性がある、という先行投資的な側面も持ち合わせています。  

スマホでのWi-Fi体験向上に期待

前述の通り、5GHz帯に3本のアンテナを搭載している点は、特にスマートフォンやタブレットを多用するユーザーにとって大きなメリットとなり得ます 。160MHz幅通信やビームフォーミングといった技術と組み合わせることで、家の中での電波の届きやすさ、接続の安定性、そして実効速度の向上が期待できます。Wi-Fi 5 (IEEE 802.11ac) 世代や、エントリークラスのWi-Fi 6ルーターから乗り換える場合、日常的なブラウジング、動画視聴、アプリ利用など、スマートデバイスでの体感差を感じやすいでしょう。ルーターのスペック表だけでは分かりにくい部分ですが、この「スマホ体験の向上」は本製品の重要な設計目標の一つと考えられます。  

簡単なセットアップと将来の拡張性

ネットワーク機器の設定は難しい、と感じるユーザーは少なくありません。WSR3600BE4Pは、専用アプリ「AirStation」による簡単なセットアッププロセスを提供しており、初心者でも比較的容易に導入できます 。また、バッファロー製ルーターからの買い替えをサポートする「スマート引っ越し」や、他社製ルーターからでもSSID/パスワードを引き継げる「無線引っ越し機能」は、乗り換えの手間を大幅に削減してくれます 。  

さらに、Wi-Fi EasyMesh™に対応しているため、将来的に家が広くなったり、電波の届きにくい場所が出てきたりした場合でも、対応する中継機を追加するだけで簡単にWi-Fiエリアを拡張できます 。これは、初期投資を抑えつつ、将来的な環境変化にも柔軟に対応できるという点で、大きな安心材料となります。前述の通り、MLO対応エージェントを使えばバックホール通信が強化される可能性もあります 。  

1年間無料の包括的なセキュリティ機能

「ネット脅威ブロッカー2 ベーシック」が1年間無料で利用できる点も、見逃せないメリットです 。この機能により、ルーターがネットワークの出入り口で脅威を監視・ブロックしてくれるため、接続されているPCやスマートフォン、さらにはセキュリティ対策が難しいIoT機器まで、まとめて保護することができます。通常は有料オプションであったり、より高価なルーターにしか搭載されていなかったりする機能を、購入後すぐに、追加費用なしで1年間利用できるのは大きな価値があります。最新のWPA3規格にも対応しており 、基本的なセキュリティレベルは確保されています。  

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デメリット:注意点と考慮事項

多くのメリットを持つ一方で、WSR3600BE4Pには価格とのトレードオフとなる注意点や、割り切りが必要な部分も存在します。購入前に必ず確認しておきましょう。

最重要:Wi-Fi 7 の主要機能「6GHz帯」に非対応

繰り返しになりますが、これが最大のデメリットであり、最も重要な注意点です。WSR3600BE4Pは6GHz帯を利用できません 。6GHz帯は、Wi-Fi 6Eで導入され、Wi-Fi 7でも中心的な役割を担う周波数帯です。従来の2.4GHz/5GHz帯と比較して、利用可能なチャンネル数が圧倒的に多く、電波干渉が非常に少ないため、特にマンションなどの集合住宅や、多くのWi-Fi機器が密集する環境において、高速かつ安定した通信を実現する切り札とされています。この6GHz帯が利用できないということは、Wi-Fi 6E/7がもたらす最大の革新の一つを享受できないことを意味します。  

この仕様については、ユーザーコミュニティでも様々な意見が見られます 。6GHz対応端末がまだ少ない現状では不要と考える意見や、6GHz帯は電波が遠くまで届きにくい特性があるため、一般的な戸建て住宅ではメリットが薄いという見方もあります 。一方で、将来的な普及を見据えて必須と考えるユーザーや、集合住宅での干渉問題を解決するために6GHz帯を重視するユーザーもいます 。本製品の「Wi-Fi 7対応」という表記が、6GHz帯対応を期待させてしまう面があることは否めず、購入検討時にはこの点を十分に理解しておく必要があります。  

デュアルバンド限定、トライバンドではない

本機は2.4GHz帯と5GHz帯のデュアルバンド対応です 。より高性能なモデルには、5GHz帯を2つ、あるいは5GHz帯と6GHz帯を合わせて合計3つの帯域(トライバンド)を持つものがあります。トライバンドルーターは、例えば一つの5GHz帯を高速通信が必要なデバイス専用にしたり、メッシュネットワークのバックホール通信専用に割り当てたりすることで、ネットワーク全体の負荷を分散させ、より安定した通信を実現できます。特に多くのデバイスを同時に接続する環境では、デュアルバンドのWSR3600BE4Pでは性能的な限界が見える可能性があります。  

MLOなどの新機能は対応端末が必須

Wi-Fi 7の目玉機能であるMLO(Multi-Link Operation)は、接続するスマートフォンやPCなどの端末側もWi-Fi 7およびMLOに対応していなければ、その効果を発揮しません 。現時点(2025年初頭)では、MLO対応端末はまだ市場に出始めたばかりです。したがって、このルーターを購入しても、手持ちのデバイスがすぐさまMLOによる高速化・安定化の恩恵を受けられるわけではない、という点は強く認識しておく必要があります。将来への期待は持てますが、現時点でのメリットとしては限定的です。  

セキュリティソフトは年額課金が必要

「ネット脅威ブロッカー2 ベーシック」は最初の1年間は無料ですが、2年目以降は有料の年間ライセンス契約が必要になります 。もしこのセキュリティ機能に魅力を感じて購入する場合、ランニングコストが発生することを考慮に入れる必要があります。ルーター本体の価格だけでなく、長期的な総所有コストを比較検討することが重要です。  

有線LANは最大1Gbps – 高速回線にはボトルネック

搭載されているWANポートおよびLANポートは、すべて最大1Gbpsまでの対応です 。これは、現在主流の光回線サービス(最大1Gbps)を利用している場合には問題ありませんが、もし2Gbps、5Gbps、10Gbpsといった1Gbpsを超える高速なインターネット回線プランを契約している、または将来的に契約する可能性がある場合、このルーターがボトルネックとなり、せっかくの回線速度を活かしきれません。有線接続であっても、インターネットからの速度、およびルーターに接続された有線デバイス間(例えばPCとNAS間)の通信速度は1Gbpsが上限となります。  

新規格初期製品の潜在的な不安定性

これはWSR3600BE4P固有の問題ではありませんが、一般論として、新しい技術規格(今回はWi-Fi 7)を採用した初期の製品には、ファームウェアのバグや予期せぬ動作不安定といった問題が発生する可能性が、成熟した製品に比べてやや高い傾向があります 。もちろんメーカーはテストを重ねていますが、市場に出て初めて顕在化する問題も存在します。安定性を最重視する場合は、少し様子を見て、ユーザーレビューなどを確認してから購入するという選択肢も考えられます。  

どんなユーザーにおすすめ?

ここまでのメリット・デメリットを踏まえ、WSR3600BE4Pが特にどのようなユーザーに適しているかをまとめます。

  • 古いWi-Fiルーター (Wi-Fi 5/AC以前) からの確実なアップグレードを求める方: Wi-Fi 5 (IEEE 802.11ac) やそれ以前の規格のルーターを使用している場合、5GHz帯の性能向上(速度、範囲、安定性)、最新のセキュリティ規格(WPA3)、EasyMeshによる拡張性など、多くの面で明確なアップグレードを体感できる可能性が高いです。
  • スマホやタブレットでのWi-Fi利用が生活の中心である方: 3本の5GHzアンテナ搭載など、スマートデバイスでの利用体験向上に注力した設計 は、日常的なブラウジングや動画視聴、SNS利用などをより快適にしたいと考えているユーザーに最適です。  
  • 戸建てや広めのマンションにお住まいで、手軽にメッシュWi-Fiを導入・拡張したい方: 標準規格であるEasyMeshに対応しているため 、比較的安価に、かつ簡単に家全体のWi-Fi環境を整備・改善したい場合に適しています。将来的な拡張も容易です。  
  • 最新技術に触れてみたいが、コストパフォーマンスを最重視する方: Wi-Fi 7の全機能は不要でも、その一部(MLOの可能性、4096QAM)を体験してみたい、かつ初期投資は抑えたいというユーザーにとって、本製品は魅力的な「Wi-Fi 7入門機」となり得ます 。  
  • 現時点で6GHz帯の必要性を感じておらず、将来的な必須要件とも考えていない方: 自宅のWi-Fi環境で現状2.4GHz/5GHz帯の混雑が深刻でなく、6GHz帯による将来性よりも、今現在の5GHz帯の改善と価格の手頃さを優先したいユーザーには、合理的な選択肢となるでしょう。

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こういうユーザーは他のモデルも検討を

一方で、以下のようなニーズを持つユーザーは、WSR3600BE4P以外のモデルを検討することをお勧めします。

  • Wi-Fi 6E/7 の 6GHz帯のメリット(高速・低遅延・低干渉)を享受したい方、または将来のために確実に備えたい方: 6GHz帯の利用が目的であれば、本製品は選択肢から外れます 。Wi-Fi 6E対応ルーター、または6GHz帯に対応した(より上位の)Wi-Fi 7ルーターを選ぶ必要があります。  
  • 1Gbpsを超える高速インターネット回線を契約中、または将来的に契約予定の方: WAN/LANポートが1Gbpsまでの対応であるため 、高速回線の性能をフルに引き出すことができません。最低でも2.5Gbps以上のWANポートを持つルーターが必要です。  
  • 非常に多くのデバイスが同時に高負荷な通信(4K/8Kストリーミング、大容量ダウンロード、低遅延ゲーム等)を行う家庭や、トライバンドによるネットワーク最適化を求める方: デュアルバンドの本機では、極端にヘビーな利用状況下では性能不足になる可能性があります。トライバンド対応のルーターの方が、負荷分散により安定したパフォーマンスを期待できます。
  • 最新のWi-Fi 7対応スマートフォンやPCを既に所有・購入予定で、MLOなどの新機能を最大限に活用したいヘビーユーザー: 本機もMLOに対応はしていますが 、最新の高性能なWi-Fi 7クライアントデバイスのポテンシャルを最大限に引き出すには、より高性能なCPUや、6GHz帯を含めたMLO機能を持つ、ハイエンドなWi-Fi 7ルーターの方が適している可能性があります。  

まとめと購入のススメ

バッファロー WSR3600BE4Pは、最新規格Wi-Fi 7の要素を、手頃な価格で提供しようという意欲的な製品です。Wi-Fi 7の目玉である6GHz帯を省略するという大胆な選択 をする一方で、既存の2.4GHz/5GHz帯において、4096QAMによる効率化やMLO(対応端末が必要)といった新技術を盛り込み、特にスマートフォンでの利用体験向上に注力しています 。  

このルーターの価値は、**「6GHz帯は不要、でも今のWi-Fiは改善したい」**というユーザーのニーズに合致するかどうかにかかっています。

もしあなたが、Wi-Fi 5以前の古いルーターを使っていて、主にスマートフォンでのWi-Fi利用(動画視聴、SNS、ウェブ閲覧など)をもっと快適にしたい、設定や将来の拡張は簡単な方がいい、そして何より予算を抑えたい、と考えているなら、WSR3600BE4Pは非常に有力な候補となるでしょう。強化された5GHz帯の性能、簡単なセットアップ 、EasyMeshによる拡張性 、そして1年間無料のセキュリティ機能 は、その価格帯 において十分な価値を提供します。  

ただし、これは最先端を求めるユーザーや、6GHz帯による将来性を重視するユーザー、あるいは1Gbpsを超える超高速インターネット回線を利用しているユーザー向けの製品ではありません。あくまで、現在の主流であるWi-Fi環境を、現実的なコストで、確実にアップグレードするための実用的な選択肢と捉えるべきです。

今のWi-Fi環境に、小さな不満を感じていませんか?リビングから離れた部屋では電波が弱い、動画が途切れがち、家族みんなが使うと遅くなる…。バッファロー WSR3600BE4Pは、そうした日常の『ちょっと困った』を解決する、賢い選択肢かもしれません。最新規格Wi-Fi 7の技術の一部を、驚くほど手頃な価格で導入できます。特に、毎日使うスマートフォンでの通信が、より速く、より安定する可能性を秘めています。難しい設定は不要で、将来の拡張も簡単。6GHzはまだ不要、でも今のWi-Fiは改善したい…そう考えるあなたに、このルーターは新しい快適さをもたらしてくれるでしょう。

古いルーターからの卒業で、毎日のネット体験をワンランクアップさせましょう。以下のリンクからWSR3600BE4Pの詳細スペックや最新価格をチェックして、あなたの家に最適なWi-Fi環境を検討してみてください!

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